避妊・去勢手術について

避妊・去勢とは

避妊・去勢手術は、もともとは望まれない妊娠によって不幸な動物が生まれないように行われていた手術です。オスでは精巣を摘出する手術(去勢手術)、メスでは卵巣と子宮を摘出する手術(避妊手術)をします。これらの手術を行うと、永久的に妊娠する(させる)ことができなくなります。

避妊手術の利点

発情が来なくなる

犬では年に1~2回、猫でも年に数回、メスには発情期が来ます。犬では陰部からの出血が2週間前後続くためその管理が必要となります。猫ではストレスにより鳴き続ける場合が多く、同居の飼い主様にも大きなストレスになります。避妊手術を行なうことにより、それ以降の発情期が来なくなりますので、このようなストレスを受けることがなくなります。

疾病の予防

近年、ペットの寿命が大幅に伸びたことにより、子宮蓄膿症や乳腺腫瘍といったホルモンの影響による疾病が非常に増えています。避妊手術を早期に行なうことにより、これらの命に係わる病気の発生率を大幅に下げることができることが分かっています。

去勢手術の利点

疾病の予防

オスにおいても、寿命が伸びたことで前立腺肥大や肛門周囲腺腫、会陰ヘルニアといった病気が増えています。去勢手術によりこれらの病気を予防したり、場合によっては治療することができます。

問題行動が減る

オスは性ホルモンの影響により、マーキングやマウンティングをしたり、性格が攻撃的になったりします。手術を行なうことでこれらの問題行動が減る傾向にあります。ただし、全ての子に当てはまるわけではありませんので過度な期待は禁物です。

避妊・去勢手術の欠点

これらの手術は全身麻酔を必要とするため、麻酔のリスクがゼロではありません。以前と比べると動物の麻酔技術も大きく向上して安全性は格段に高まりましたが、それでも手術前の全身状態をしっかりと評価したうえで、手術をする利点の方が大きいと考えられる場合のみ手術をすることが重要です。また、オス・メスともにこれらの手術をすることにより基礎代謝が低下し、太りやすい体質になります。食事のカロリー制限に関しては手術前よりも気を付けていただく必要があります。